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気密測定とは、家の隙間や施工不良を見つけて、建物の性能を高めるための重要な工程です。
しかし、気密測定のサービスには、身体測定と人間ドックのような違いがあります。
身体測定は、身長や体重などの基本的な数値を測るだけで、身体の状態を表面的にしか知ることができません。
人間ドックは、血液検査やレントゲンなどの検査を行って、身体の状態を精密にチェックし、問題を特定して、対策を検討、処置を施すことで、あるべき状態に導きます。
気密測定も同様で、測定時に専門機器を用いて隙間や施工不良を可視化で特定し、確実に手直しすることで、建物本来のあるべき姿に導きます。
そうすることで、建物の健康寿命が伸び、省エネや断熱などのパフォーマンスが上がります。
しかし、現実には、身体測定のような
“測定が目的”の業社が少なくありません。
なぜなら、専門で気密測定を行う会社は少なく、資材販売や設計業務との兼務で片手間で行われるケースでは手間や時間をかけられない事情があるからです。
また、断熱施工業社が測定を行うケースでは、気密測定により自社の施工領域に落ち度があることを露呈することになるため、そこにフォーカスさせないように測定(数値の報告)のみで終わることも少なくありません。
このような場合、治療が必要な状態であるにも関わらず、それぞれの立場の保身が優先され、無かったことにされるため、貴重な性能向上(技術向上)の機会損失となる悪い慣習になっています。
何のために気密測定を行うのか、使用している材料のパフォーマンスを最大限引き出し、耐久性や耐震性、快適性や省エネ性などにつなげるためです。
また、工業製品の自動車と異なり、家は現場生産品です。家の仕様やプランによって、気密施工の勘所は違いますし、職人さんの腕によって気密性能がばらつくことはよくあることです。
それらを計画段階から検討し、丁寧に施工するには、施工する大工はもちろん、管理する監督にも経験や知識が必要になります。
闇雲に気密測定(身体測定)をするだけでは、性能向上の根本原因にアプローチできませんし、いつまでたっても品質が上がらないということになります。
住まい手も造り手も、そのような視点に立ち、住まいの性能確保や自社の施工技術の向上を図るためのパートナー選びとして捉え、気密測定業社を選定することが大切なポイントになります。
気密測定は、単なる数値の測定ではなく、建物の性能を最大限に引き出すためのプロセスです。
気密測定を行う業社は、測定だけでなく、施工の指導や改善の提案も行える専門性(BISや外皮マイスター資格)と実績(性能向上率などのデータ)を持っていることが望ましいです。
気密測定を依頼する際には、業社の実績や評判を確認し、信頼できる業社を選ぶことが重要です。
気密測定を人間ドックのように捉え、建物の健康を守るため、住まい手の健康や財産を守るために、気密測定業社の選び方にも注意しましょう。